徴用工問題に見る日本外交(1)新日鉄の変節(上)

今回の韓国での新日鉄に対する徴用工への賠償金支払い判決について、従来の優柔不断さをひっこめて安倍政権は韓国に対して強く反発している。その急変の理由を解いて行こう。一回のブログでは到底まとめきれないので何回かに分けて書いていく。今日は過去の私のブログを読む所から始めてほしい。日本企業と日本政府(安倍政権)の対応を振り返っておかなければ、急変したことすら気づかぬ人が多いのではないか。勿論、出来るなら当時の新聞報道などを個別に参照した方が良いと思う。では古い順にブログ記事を再掲する。

2013年12月27日のブログ記事:

敗訴確定でも賠償金を支払わないとした三菱重工、新日鉄とは異なる信念が見える

  韓国で、既に日韓という国家間で正式に、協定に基づき、しかもはるか昔に解決済みの戦時徴用工問題が提訴され、日本側企業に賠償を命ずる判決が言い渡されている。

国家間で解決済みであれば、責任を受け持ったはずの韓国政府に賠償を求めるべきなのだが、日本企業に賠償を求め、賠償を命ずる判決を韓国の裁判所は出している。法というものが“歪んだ”状態の国家に見える。

まだその判決は確定していないが三菱重工は韓国で判決が確定した場合でも賠償には応じないと筋を通す方針を、社長が1213日に発表した。たとえ韓国にある資産を押収されても断固戦い抜く決意なのだそうだ。

それに対し新日鉄は判決が確定したら賠償に応じるとすでに発表済みだ。

この態度の差はとてつもなく大きい。“武士(もののふ)”的態度をとるか、“小商人(こあきんど)”的態度をとるか、その差は将来のその企業への信頼感の差となって返ってくるだろう。

それにしても国家間の協定を無視するような企業は少なくとも日本政府などの公的機関からの受注資格はないのではないか?また、そういう企業の元経営者を経済団体の重職につけるのは如何なものか、とも感じるが。

 

2014年5月2日のブログ記事:

商船三井、この小商人精神!

中国の裁判所が日中戦争前に締結した契約上のトラブルに関して7年前に中国の裁判所から29億円の賠償を命じられた。日中共同宣言により戦後賠償に関しては請求権の放棄が明示され、賠償に代わるものとして日本は中国にODAと言う形で3.6兆円にも上ると言う超巨額の援助をしてきた。
しかるに中国は突然商船三井の貨物船を差し押さえてしまった。そうしたら何と何の抵抗もせずに商船三井は40億円もの供託金を支払ってしまった。産経新聞の『産経抄』は「ヤクザに法外なみかじめ料を支払うようなもの」と表現した。己の商売だけを考え、日本国家、国民、他の企業への迷惑を顧みない“愚行”である。株主はどうするつもりか。
(注:戦時賠償とは種類の異なる問題だとも漏れ聞こえるので再考の必要があるのかもしれない)
新日鉄は戦時徴用工の問題で韓国の裁判で賠償を命じられ、目下控訴中だが判決が確定した場合には賠償金を支払うと早々に明言している。これも“愚行”と言うか、恥ずべき行動だ。韓国も請求権をとうに放棄しているのだから。法律も共同宣言も条約さえ無視して、脅してくる中国韓国に対して言われるままに行動するのでは何とも骨のない連中だ。日本人の劣化はここまで来ている。
もっとも、アメリカに脅されて「河野談話を見直さない」などとした安倍晋三首相も情けない。河野談話の本人である河野洋平に負けない言わば“亡国”の宰相である。その悪名は後世にまで伝えられることだろう。
そしてオバマ大統領が韓国で慰安婦問題に関して発言したのに反論も非難もできない。恥ずかしくないのか。それではまるで被占領国の代表ではないか。正邪の区別ができたとしても「正義」を貫こうとしない日本人がなんと増えたことか。戦に負けるということはこういう結果をもたらすものなのかと感じる。

 

2015年8月3日のブログ記事:

「三菱アヤマテリアル」か、反日中国勢力に屈する企業

昭和47年の日中共同声明で中国政府が『日本国に対する戦争賠償の請求を放棄する』とし、戦後補償問題は完全に解決済みの問題である。しかし実際には賠償の形はとらずともODAなどの形(見せかけ)で日本は中国に莫大な金を支払ってきた。

その国と国とが解決済みとした問題を中国人が蒸し返し提訴した。それに対し三菱マテリアルは一人当たり200万円を支払い、さらに「謝罪」を表明することでの和解を目指しているという。

韓国での同じような訴訟に対して新日鉄は判決が出れば従うとしていたのに対して三菱重工業は従わないと方針を表明していたと記憶する。同じ三菱グループでありながらこの基本的対応の違いは何だろう。結束の乱れは明らかに見える。

徴用工問題で因縁を付けられている企業は三菱マテリアルだけではないだろう。対韓国の「慰安婦問題」は韓国の主張を認めるかのごとき談話を出したことにより、日本は公式に罪を認めた如くに云われ続け、ゆすられ続けている。三菱マテリアルも今後エンドレスで賠償請求に応じざるを得なくなるだろう。

それにしても日本国と中国との正式な合意に反する行動をとるこの三菱マテリアルという会社にはそれなりの制裁が科せられて当然ではないか。多くの他の企業が甚大な迷惑を蒙るのである。日本政府の調達などに関する入札資格を剥奪することも必要ではないか。

金に色はない。その和解金が巡り巡って中国の軍事力増大に寄与し、ミサイルとなり、銃弾となって日本人に襲い掛かるかもしれないのである。

テレビコマーシャルで「ニクイネ 三菱」というのがあるが、「憎いね! 三菱マテリアル」と聞こえるようだ。

「三菱アヤマテリアル」と化したこの会社を懲らしめるには「不買運動」しかないのかもしれない。大局を見ずに目先だけを考えて行動する企業が増えているようだ。中国人観光客と言う名の出稼ぎ商人みたいな連中にビジネスを依存するものが増えたのも「企業力」が弱くなった表れではないだろうか。日本の産業の先行きはかなり不安だ。

 

この復習の上に立って、現在の新日鉄の対応と安倍政権の対応、そしてそれに呼応するかのようなメディアの報道の表と裏を読み取る必要がある。そこには政府だけでなく言論人の態度豹変が明瞭なのである。(続く)

 


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