桑原聡を読み、智の花の馥郁たる香りにうっとりする

産経新聞の連載の一つに「モンテーニュとの対話」というものがある。書き手は文化部の桑原聡だ。この方の造詣の深さは一級品だが、それだけではなく智とはかくなるものかと感じさせる、知的考察、比喩、表現など素晴らしいの一言だ。阿比留の曲言、正論の妄言に辟易している身にとって、清涼な風が身と心を清めてくれる感がある。奇妙な文化、文明論を叫ぶ輩の多い中で、格の違いが一読して分かる文章を提供してくれるのだ。先ずは尊敬と感謝を!

さて10月26日の「中国行きのスロー・ボート」なる表題での一文が、これまた素晴らしい。是非全文を読んで欲しい。酩酊状態のように、訳の分からぬことを書く、阿比留文と比較してほしいのだ。

桑原は米国の独立当時の中国への貿易で米国が受けたメリットや遠い中国への憧憬が、ある種の中国に対する先入観という形で米国人の意識の基層に存在することを述べ、それが長く続き、そしてニクソン大統領による米中外交関係再開に繋がったのだと指摘する。さらに、そのような歴史的感情が日米関係にはないどころか、いつまた『真珠湾を思い出せ』と日本は米国に叩かれるかもしれぬと、中国と日本では米国との関係に歴史的な相違があるのだと説く。

桑原は「個人的な恩義があるからといって、誉めるべきでない王の記憶を不正に擁護する人々は、自分独りの節義を完うするために天下の正義を損なうことになる」というモンテーニュの言葉を引用した上で、

「亡くなった王の事蹟の評価について述べた言葉ではあるが、現役の王の施策についても同様だろう。恩義によって現実をリアルに見る目を曇らせてはならないのだが…」と結んでいる。

現在の日本の状況を鑑みる時、何とも鋭く、深く、的を射たものだと感じる。内容が何とも深い。

 


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