産経新聞という風見鶏から風を読むーA Sign of Current Direction Change

産経新聞を毎日熟読といって良いほど読んでいる。その記事や特集から判断評価のミスを、見解の偏りを、そして称賛すべき点を見つけ出し、ブログに掲載するためである。それを何年も続けて来ると、産経新聞そのものが見えて来るようになる。産経新聞社内部に幾つかの性格、主張の異なるグループがありそうだなどということも分かってくる。

さて、その産経新聞の記事のトーンに変化が見えるのだ。この安倍政権べったりのような、言わば宣伝係のような産経新聞の記事の雰囲気が明らかに変わって来ている。幾つかその兆候を挙げてみよう。

10月18日   石平の「China Watch」で、安倍訪中時にしてはいけないこと2つを指摘。「外交辞令であっても一帯一路に協力すると言ってはいけない」「中国の言う自由貿易に同調してはならない」

10月19日   「主張」(社説)で、「10月8日に露国防相が9月の演習から北方領土を除外したと言いながら、国後択捉周辺で1か月に5度も軍事演習をしたのに対し、対露制裁の検討に入れ、揉み手をして北方領土での共同経済活動を推進している場合ではなかろう」と安倍政権の対ロ政策を批判。これが22回の首脳会談の結果かと…

10月19日   「単刀直言」で鈴木宗男の意見を紹介。「日本は元々四島返還」となど言っていなかったと、安倍首相の姿勢と異なる経緯をも紹介。ある種の安倍批判と言える。

(10月20日  自民党総裁選挙で安倍晋三三選)

10月21日   日曜講座「少子高齢化社会」で河合雅司が安倍政権の外国人労働者の拡大策を批判。

10月22日   「主張」で、「中国は、自由で開かれた国際秩序の護持者では決してない。『一帯一路』への協力は日本の国益と国際社会の平和と繁栄を損なう。その協力を手土産に安倍訪中がなされることを懸念する」と安倍首相の姿勢に大きく懸念を示した。

10月23日   「「県」市長選 与党苦戦 参院選に影」との記事を掲載。官公庁での障碍者雇用の水増しを大きく報道。(従来政府の失策に関しては記事を小さく、弱く扱うのが常だったのに)

10月24日   「政論 旭日旗問題抗議」で岩屋毅防衛相の9月20日のシンガポールでの日韓防衛相会議の防衛省作成の結果概要資料には、岩屋毅防衛相が抗議したとの記載なし。単に「残念だ」と言ったとされる発言に対して批判している。

10月24日   「主張」にて拉致問題について、「そもそも日本はなぜ自分で自国民を取り戻せないのか。国民を守れないで国家と言えるのか。自国民を守ることを妨げているものがあるなら、それを解決することが政治の何よりの責務であるはずだ。西郷が述べたほどの覚悟で政府が『本務』を果たしてきたとはとてもいえまい。」と書く。ここ5年以上の政府の責任者は安倍晋三である。すなわち名指しこそしていないが、安倍晋三首相に対する痛烈な批判なのである。

10月25日   「極言御免」で常に感情的安倍擁護の権化であった阿比留瑠比の論調が変化してきている。「中国に譲歩しないことが肝心」との題での記事だが、「一帯一路への協力など、中国への強力に前のめりになっているのではないかとの見方も出ている。だが、首相は周囲にこんな本音を漏らしている。『別にこちらが前のめりということではない。一帯一路の件は、リップサービスをしているだけだ。中国にカネをやるわけでも出すわけでもない』」、これが安倍晋三首相の本音かどうかなど、阿比留がそう聞いたと書いているだけで本当かどうかは分からない。それよりも「リップサービスだ」といくら内側で言おうと、他国がそれを約束、意思表明と受け取ることは当然考えられる。一国の首相発言は重いのだが、安倍首相はそれを理解していない人なのだろう。

10月26日   田村秀男編集委員が、安倍首相が日中首脳会談で、3兆円とも言われる大規模な通貨スワップ協定に応じるとの報道に関して、愚策どころか、中国を利するだけの間違いだと批判している。ここ数年来、安倍首相の応援団のような記事を書いて来た田村氏の批判文に驚いた。安倍首相は対中ODAを止めたのを手柄のように披露しながらそれに代わる、そして中国が望む通貨スワップ協定に前向きなのである。

10月27日   「主張」は日中首脳会談に関して、「『覇権』阻む意思が見えぬ」「誤ったメッセージを与えた」と安倍首相の失敗を厳しく指摘している。

10月28日   日曜経済講座で田村秀男氏は「誰のための消費増税?」と問い、「デフレで余るカネ…中国に」とのテーマで記事を書き、安倍政権の金融政策の根本的間違いを指摘している。

個々の記事をじっくり読んでいただきたいのだが、何よりもこれらの記事から産経新聞の安倍政権に対する態度の変化を感じ取ってほしいのである。最初は9月30日の沖縄知事選で自公候補が敗れた時からトーンが変わったかと思ったのだが、経緯、変化を再チェックすると、変化点は9月20日かその直前にあるように感じる。それは自民党総裁選挙で安倍晋三が三選を果たした時期だ。

トランプ米大統領の安倍晋三首相に関する発言も時折辛辣なものが見える。時折なら本来の考えではないとも言えまい。僅かな発言に本心が出ているのかもしれない。私には、国民、国家の代表であるべき首相が、自民党内という世論を反映しない形で決められ、しかも世論調査では信頼されていないことが明らかなところに、米国の信頼が揺らいでいるのではないかと思う。そうでなければ、安倍官邸べったりの産経新聞の論調がかくも変化してきた理由が見当たらないのである。

産経新聞という風見鶏の向く方向に本当の権力があるのだろうから、ひょっとすると政局が動くのかと、感じた次第である。遠くない将来に結果は分かって来るだろう。そう言えば米国は日本の自動車に20%の関税を課すと言い始めている(日米首脳会談で棚上げ状態にしてきたといっていたのだが…)。ワシントンの動きを注意すべきだよ、自民党議員諸君!

 


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