脱原発リスク?北海道大規模停電(産経新聞の主張に疑問)

北海道の震度7の地震があり、北海道全体での停電と言う現象が起きた。こういう災害があると、防災と言う仮面をかぶった論調が増えるものである。直ぐに電力屋と安倍自公政権がそれを利用して原発の必要性を説こうとするようだ。先日書いた、某NPO理事のお粗末な一文もその一環であろう。

さて、産経新聞(9月25日)の「主張」は北海道の全停電に関して、「脱原発リスクの顕在化だ」と見出しを掲げる。では内容を吟味していこう。

「北海道電力の泊原子力発電所が稼動中であったなら、管内の各発電所がドミノ倒しで機能停止するブラックアウトと呼ばれる全停電に陥らなかった可能性が高いからである」

タラ、レバの仮定の話である。しかしそれに付け加えなければならないタラ、レバが存在する。「泊原発が地震で停止しなければ」との条件が必要なのだ。そしてこの考えに間違いがなくても、全停電を防ぐ方法は他にもあることに触れていないとの問題がある。

要するに電力供給のセキュリティ問題なのだから、火力発電所が多く存在することでも、再生エネルギーによる発電能力がたくさんあっても全停電は防げる。原発でなくても良い。そこに論理の誘導とすり替えというテクニックが使われている。

後段に、

「広域停電は本州や九州、四国でも起こり得る事態だ。欧州とは異なり、日本は周辺国と送電網で結ばれていない」

と書いている。ところがだ、北海道と本州の間には60万KWの北本連携設備と言う、北海道と本州を結ぶ送電線が存在するのである。しかも、2019年3月の実用化を目指して30万KWの増設を北海道電力が実施中だ。このことに産経新聞の主張は全く触れないのである。

そして結論は、

「政治が原発を語り、国民の理解を深めることが必要だ。3選を果たした安倍晋三首相は、年末のパリ協定会議も視野に入れ、原子力利用の立て直しを急ぐべきだ」

としている。北海道の全停電を奇貨として、種々ある電力セキュリティの方法を、巧みに誘導し、原発稼働促進へと結論付けるのは、社説(主張)の政治利用とも言えるだろう。

遂に「主張」まで阿比留瑠比化したか、産経新聞!

 


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