墓じまい、押し付けられた葬送習慣の期限切れ

日本人は海外での入国カードの宗教の欄に「仏教徒」と記入することが多い。葬式を仏式で行っていることや、墓が寺にある事がその背景である。しかしその事はその人たちが仏教徒であることを意味しない。何故なら、宗教としての仏教など知らない人がほとんどだからである。

日本人が皆寺の墓に骨をおさめ、仏式で葬儀を行うようになったのは、江戸幕府が寺請け制度を始めた影響が大きいのではないか。つまり宗教としてではなく、言わば戸籍係、住民登録係のような行政上の役割を担わせたのである。以来寺と神社がセットになっていった。例えば東京の多摩地区での新田開発の時にも新たな村に必ず寺と神社を置いたのである。人々の死亡についても葬式をし、埋葬をしてその事実を確認し、記録に残したのである。信仰から始まったことではないのだから江戸幕藩体制から明治の世になって150年、人々が制度として言わば強制されていた墓制に疑問を持つのは自然の流れである。そしてその変化の間、江戸時代の制度に守られた仏教がその上に胡坐をかいていたことも事実だろう。仏教を信じている人は希な存在ではないか。

唱えるお経など、誰それが何をした、なんていうお話であることも多い。漢音、呉音などで読むお経は一般人には理解できない。呪文のようなものである。勿論般若心経のようなきわめて深い意味を持つ経もあるのだが。

私は曹洞宗の紅谷庵で座禅を教わった。曹洞禅は宗教ではないことを知った。仏像に礼拝をしながらも、その対象は仏像でなくても何でもよいのだと教える。形式に従いながら本質は完全な自由なのである。そこに方円の器に従いながらも、自らの性質を断固失わない水の心が重なる。

墓じまいが増えているそうだ。私も兄と相談して10年前に墓じまいをした。

それにしても、葬式ビジネスで生活しようとする“僧”に本当の仏教があるのかと気になる昨今である。

 


コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>

にほんブログ村

selected entries

archives

recent comment

  • 園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(88)人事考課を書き換えさせた石油資源開発人事部
    名無し (10/15)
  • 国際石油開発帝石(インペックス)は経営行き詰まりなのか?それを暗示する現象(2)
    名無し (08/20)
  • 園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(132)ホテル代の踏み倒し
    No use (07/25)
  • 論理の誤り―纏向遺跡と桃の実の年代
    No use (07/24)
  • (続)石油資源開発の新役員布陣が発表されたが―身体検査は大丈夫か?
    No use (07/24)
  • 『人麻呂の暗号と偽史『日本書紀』〜萬葉集といろは歌に込められた呪いの言葉〜』を電子出版化した
    ふひと (07/11)
  • 国際石油開発帝石のイクシスプロジェクトは「大失敗」?!
    高松 和弘 (06/27)
  • 起きる確率の高い南海トラフ地震の被害額が1,400兆円以上と言うなら
    toshi (06/14)
  • 決裁文書の事後改竄は単なる文書管理の問題ではない
    giinnokoe (06/01)
  • (続)石油資源開発の新役員布陣が発表されたが―身体検査は大丈夫か?
    名無し (05/28)

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM