新保祐司の”正論”に一言

すでに何度も書いたのでこの“明治教”の新保祐司の“正論”はもうスルーする気でいたのだが、どうしてもこんなのでいいの?と感じる所もあり、少しだけ触れておく。(正面から検討する価値のある対象ではないと感じているので)

産経新聞(824日)の「古代の回顧を精神再興の礎に」というものなのだが、どうも無批判に受け入れている『古事記』『日本書紀』の記述イコール古代と認識しているらしく、その思考の基盤の弱さに驚くのみだ。

さて、神武東征の際の槁根津彦登場の速吸門に関する所で、

「『萬葉集』巻三には、柿本人麻呂の羈旅の歌「天離る鄙の長道ゆ恋ひ来れば明石の門より大和島みゆ」があるが、そのように見えて来る絶妙な距離感の中で「倭国造等の祖」槁根津彦は登場するのである」

と書いている。この歌の原文は、「天離 夷之長道従 戀来者 自明門 倭嶋所見 一本云 家門當見由」というものである。つまり新保祐司が例示しているのは、後世の読み下しであり、本当にそう読むのかなど分かっていない。

明石海峡から見えるのは和泉、河内の国であり、摂津の一部も入るかと言ったところ、大和は信貴山、葛城山などの向こう側で見えない。大和嶋とあるのを島を省いて解釈しているのが普通だがそれが正しいかどうかは不明だ。又一本云では「家のあたり見ゆ」と読んでいて、門の字を無いことにしてしまっているし、当を「辺(あたり)」と読んでいる。

そんなことを知ってか知らずか、新保祐司は「明石海峡から大和がそのように見えて来る絶妙な距離感」と妙なことを書いている。「その様に見えて来る」の「その様に」が「どのような」ものかが何処にも見当たらない。

「日本人が古代の歴史を失って久しい。神武天皇の東征や橿原の地での即位などについての知識もあまり共有されていない」

『古事記』『日本書紀』に書いてあることがそのまま歴史ではない。政治的意図を持って書かれた史書の内容をそのまま歴史だと思い込むのは愚者である。

211日の「建国記念の日」が何に基づいている祝日であるかを国民が良く知り、それを心から祝わなければならない」

に至っては、耳を疑う。建国記念日を211日にしたのは「こじつけ」に過ぎない。それこそ新保祐司は物を知らぬ人だと感じる。本当のことを知ったら誰も祝わなくなるのではないか。それにしても新聞で“明治教”の布教活動などして欲しくないものだ。

(目の前の広瀬川で鮎をつる人)

 

 


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