決裁文書の事後改竄は単なる文書管理の問題ではない

稟議決裁というものは各責任者の承認を取り、そして決裁権限者の決裁を得るものである。森友問題における財務省の決裁文書の改竄について、麻生財務大臣は、言わば”公文書変造”をした”犯罪組織”の長であるにも拘らず「大して重要な書き換えではなかったから改竄では…」と語った。とんでもないことである。犯罪者がその犯罪の軽重を判断するなどしてはならないのが分からないのか。その資質に問題があると言うより欠格者ではないだろうか。

「○をX」としなくても、「首相案件」と書いてあれば、課長補佐も、課長も、いや局長だって決裁文書への押印拒否など出来まい。大臣も官僚も風見鶏どころでなく総員”安倍見鶏“になっているのだから尚更だろう。「首相案件」と書いておいて稟議し、決裁後に「首相案件」の語を消すことが軽いことではないことは自明ではないか。

石油開発プロジェクトには官製プロジェクトというものがある。所謂ナショナルプロジェクトと呼ばれるものだ。それらは政治家、経済産業省、石油公団などから押し付けられるプロジェクトのことである。民間が望んで作るプロジェクトでないからこそナショプロと呼ばれたのである。それだけに石油公団は特別な配慮をした。つまり有望性などなくても“あることにして”投融資対象にしたりしたのである。堀内光雄氏によって追及され、石油公団は廃止に追い込まれたのだが、当然と言って良いだろう。現在のJOGMECも調べた方が良い、同じDNAなのだから。こういうナショプロへの参加に関する稟議決裁は「石油公団案件」となど呼ばれ、時に”強姦プロジェクト”とも呼ばれて、油田発見の見込みなどないにもかかわらず、「優良案件」として決裁されていったのである。

また、民間会社でも、稟議書に記載をせずとも、起案担当責任者が持ち回り稟議として、稟議書を持参して説明する時、「これは社長案件です」と口頭で伝えれば押印拒否するものなど存在しない。

決裁文書を決裁後に書き換えるなどと言うことは、してはならないものなのである。決裁印というものは決裁の内容を承認するものなのだから、一字でも内容に変更を加えるのであれば、最初から取り直すべきものである。建築物の許認可を受けた後に前提となった申請書の内容を変更して、変更後の内容が認可されたとしてよいのか。株主総会議事録をあとから書き換えてよいのか。世の中の文書管理と、許認可、決裁などの信用がなくなるだろう。

この理屈が分からぬ麻生財務大臣はまさしくその任に非ずと判断できよう。辞任ではなく、弾劾が必要なように感じるが。

メディアも野党も、佐川前財務局長の国会答弁に合致するように決裁文書まで改竄し、交渉記録を破棄したという点に目を向けるが、本来、そんな事態になるような国会答弁を佐川前局長に“強制”したことと、その背景をこそ究明すべきである。野党で一番しっかりしているのは共産党である。

 

 


コメント
「石油公団案件」についてのご意見、そのとおりです。かつての石油公団、民間会社の名を借りて事業をさせていたことは事実です。しかし、同時に、民間会社も国を利用していたのも事実ではないでしょうか。民間が望んで作ったプロジェクトの数と「押し付けられた」プロジェクトの数はどうだったのでしょうか?

釈迦に説法ですが、石油公団の時代は、
‖昭劼閥ζ韻妊廛蹈献Дト毎に会社を設立して、リスク分散する。民間合計で30%とか20%しか負担しなかった。一社あたり5%とか10%の負担でしょうか。
⊆最圓靴浸は返済しないという、減免付融資制度がありました。

そして、看板を掛け替えたJOGMECになってからは、減免付融資制度は廃止されましたが、プロジェクトカンパニー制度は変わらず、またリスクマネーを出資の形で国に依存しています。基本は同じです。

国は「石油の安定的供給」というだれも反対できないスローガンで巨額の金を使い、民間もその制度を上手に利用している。そして、ほとんどの案件がノンオペレーター案件です。これでは、日本の石油開発会社は「自立」してしないと思います。
  • giinnokoe
  • 2018/06/01 10:44 AM
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