園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(182)品格の欠如

坑内物理検層は国内ではシュランベルジャーを排他的に使用していた。新潟県長岡市に常設の事務所を構え、ツールのキャリブレーションピットを設置し、しかもオペレーションには通常(日本語での会話を可能とするため)日本人エンジニアを提供していた。このシュランベルジャーはフランスの会社であり、石油資源開発との契約はもちろん英文契約であった。作業の外注契約は石油資源開発では資材部が担当するのだが、資材部は英語契約の交渉・締結能力が不足だからとの理由で、資材部からの依頼で必要な時に探鉱部が交渉し、契約を交わしていた。

私が探鉱部総合課長になった時に、そのシュランベルジャー社との契約内容を大きく変えた。ボーナス・ペナルティ条項を取り入れたものにしたのである。シュランベルジャー社との数次に及ぶ交渉を経て合意に達し、いざ契約という時点になっていた時、探鉱部の私の席に向かって見慣れぬ男が近づいてきた。ぎょろ目と大声、ガラの悪さで有名な勝瀬資材部長(後に参与)だった。机の前まで来るなり、挨拶もなく、

「シュランベルジャーとの契約は今年からこっち(資材部)でやるからその積りで。何時までも探鉱部に良い思いをさせておくわけにはいかん。通告はしたからな」

と言い放ったのである。そして踵を返して出て行った。

今まで探鉱部にお手数をかけていましたが英文契約にも慣れてきましたので資材部で取り扱うようにしたいと考えています、といったまともな挨拶ができないのか、この馬鹿、と感じたものである。

すぐ後ろの森田次長が頭にきたらしく、

「小野君、あんなのほっとけ。資材部では英文契約はできないから頼むと頭を下げて来たくせに」

と過去の経緯を知っている人ならではの反応を見せた。

少し後で資材部の檜貝が、

「うちのがご迷惑をおかけしました」

と謝ってきた。

それにしてもまるでゴロツキのような部長がいるのに驚いたものである。後年私が資材部長を命じられた時には、人事関係書類も、部長会議事録も、資材業務に関する引き継ぎ書も残さずに資材業務の断絶を引き起こすような行為をしたのもこの勝瀬という男であった。その時のことは改めて書くつもりである。それにしても契約を担当するとベネフィットがあると邪推するのは、業者から何らかのベネフィットを資材部が受け取ってきたことを端的に示している。

時に昨日(23日)の夕方、仙台には雪が舞った。気温が20度にもなる日もあれば雪の日もある。気候が定まるのはまだ少し先のようだ。桜のつぼみが大きくなり、かつ色づいてきた。

 


櫻井よしこの無知が明白に?

櫻井よしこの産経新聞への投稿記事を読んできて感じたのは、記事の内容にかなり間違いが多いことだった。「保守のマドンナ」としての役回りで色々なことに言及するがご本人にはそれほどの知識がないのかもしれない。そういう状況からみて多くの記事には下請けというか、ライターが存在すると思われる。

さて産経新聞(311日)の「美しき勁き国へ」欄に寄せた「改憲 国家存続への一歩」はひどい内容である。明治政府以来の政治的な思惑で曲げられ、刷り込まれてきた歴史の上に立っての議論には辟易した。『隋書』『舊唐書』『新唐書』『三国史記』などはおろか、『日本書紀』すら読んだことがないのだろうと推察した。ご本人だけでなくこの記事を用意した下請けのライターも同様なのだろう。

さて、前段は中国の軍備拡大路線により日本周辺がきな臭くなってきている状況の説明である。そしていつもと変わらぬ、安倍晋三首相への応援意見が繰り広げられる。すなわち、

「他国頼りの国防を含めて日本の戦後を再検討しなくてどうするのか。憲法改正を急がずして日本は生き残れるのか」

かつてのアジ演説のような言葉がほとばしる。前半は米国の兵器を際限なく購入し、米国との緊密な主従関係の維持に最重点を置く安倍晋三内閣への批判とも取れるのだが、後半が特によくない。極端な話、改憲しようがどうしようが、憲法を印刷した小冊子をかつての紅衛兵の毛沢東語録よろしく突き付けても振りかざしても、敵のミサイルが防げるわけがなかろう。敵の尖閣奪取を食い止めることなどできはしない。憲法は単に憲法であって、弾丸でもミサイルでも或いはシェルターでもないのである。憲法に書いても書かなくても、すでに自衛隊は存在し、軍事力を保有している。いったん有事となれば、自民党政権が何度も使ってきた「憲法の解釈変更の閣議決定」、そしてさらに「超法規的」行動をとればよいだけである。国家の防衛は軍事力でするものであり、憲法の条文でするものではない。「韓国と本当の喧嘩になっては困る」と言い出してまたもや、そしてさらに韓国になめられる結果を生むことのほうが問題なのである。

そして話は朝鮮と中国という関連で日本がかかわった多くの騒乱の中の白村江の戦を取り上げている。

「663年、多年の懸案だった朝鮮問題解決のために、すでに滅亡していた百済救援の大義を掲げ、日本は総力を挙げて戦った。2万7000と伝えられる兵を1000艘(そう)の船に乗せて西へ進んだ。だが惨敗した」

百済滅亡に際して、日本は情報さえ得られずに何もできなかった。滅亡後に救援したのではなく、百済再興に対して援軍を送ったのである。白村江の戦に参加した1000艘の内、戦ったのはわずか400艘で残りは傍観していた。敗戦後、倭国(日本)に戦時賠償交渉団が唐から派遣され、その後筑紫都督府への唐軍の駐留があり、倭国は唐に占領されることになった。状況把握は間違いだらけである。

「日本は当時、文字、技術、律令制度などを中国に学んでいた」

これも間違いである。隋、唐とは関係が悪く長期間使者の派遣もなく、朝鮮半島の緊迫化に伴い、遣唐使が軟禁状態に置かれるなど、文化の移転などできる状況ではなかった。壬申の乱の天武天皇たちを、乱に参加した日本人が日記に、あの者たちは唐人(中国人)だと記している。

「当時新羅は日本を蔑称の「倭国」と記さず、「日本」と記した」

との記述を見れば、これを書いたものが原資料を一度も見たことがないのが分かる。まったくの嘘だらけと言ってよい。そしてそれに気づかぬ櫻井よしこの”教養”の低さが明白である。

出来れば、『太安万侶の暗号シリーズ』の(五)(六)(七)、『人麻呂の暗号と偽史「日本書紀」〜萬葉集といろは歌に込められた呪いの言葉〜』などを読んでほしい。参照すべき内外の資料の原文も引用している。また近々出版予定の『北魏再興国家としての日本(漢家本朝)』にも当時の状況は詳述してある。一読願えれば、いかに間違った歴史を語っているかがわかると思う。意見、解釈の相違があってもよい。しかし政治的意図をもって作り上げた学校教育用の歴史をそのまま真実のように取り扱うのは間違いである。櫻井よしこの正体が見えるようだ。

著書を櫻井よしこに送ってやろうかといったん思ったがやめにした。政治的な言動に終始するものは、主張に合致する資料、説しか相手にしないのが常だからだ。

 


アベノミクスの実態が隠せなくなってきた?

目論見通りに結果がついてこなければ「道半ば」でごまかしてきた経済政策も、道半ばどころかさっぱりということが見えてきてしまった。先に書いたように、2期でやめておけばまだ逃げようもあったのに、欲を出してしくじるの典型になりかねない状況に見える。

2年以内に消費者物価上昇率を年2%に上げてデフレを克服する」と異次元、換言すれば非常識な金融緩和策を導入し、為替操作と言われても仕方がない円安誘導をし、発行国債を日銀が購入するという禁じ手(インチキ)を使い、さらに上場企業の株式を日銀が筆頭株主になるまで購入するとの自由経済の形骸化も行って株式市場をげた履き状態にした黒田日銀の明治以来初のいかがわしき金融政策に日本経済は市場ごとその機能を失ったかに見える。しかもそれを6年続けても物価は上がらず、金融緩和も止められず、出口に向かおうにもすでに間違った道を進みすぎて、戻ることすらできぬ状況と言えまいか。

安倍内閣の経済政策もさしたる効果を上げていない。効果が上がったことにしようとついには政府統計にまで手を加える始末のようだ。「事実の前に謙虚であれ」との自然科学の考えを避けてきた人間らしい手口が目立つ。経済政策(アベノミクス)が効果的であれば勤労者の賃金が上昇するはずだが上昇しない。つまり失政なのだが、失政を失政にしたくないと駄々をこねたかのように、政策ではなく、経団連ほかの経済団体に3%の賃上げを要請したのが安倍内閣である。自由経済も政府の義務も振り捨てて、なりふり構わず、とにかく賃上げがあればいいんだろとの態度には政権運営の資格がないと言わざるを得まい。

さて、やや古い記事になるが25日の産経新聞の「一筆多論」欄には長谷川秀行論説副委員長の「『戦後最長』というけれど」との記事が掲載されている。要は、「平成2412月の安倍晋三政権発足と同時に始まった今の景気拡大局面が、『戦後最長となった可能性がある』という認識を示した」との1月の政府の月例経済報告の内容は本当?と疑問を呈されているのである。安倍翼賛新聞たる産経ですら、「どこかにごまかしがあるのでは?」と懐疑的になっているのである。最長がもしも本当であっても「山は高きをもって貴しとせず、木あるをもって貴しとなす」であろう。長いだけで喜ぶのは「積分」の概念を知らぬものの空虚な感情の発露にすぎない。

そして38日の産経新聞一面トップでは、「景気『下方に変化』  1月指数 すでに後退の可能性」との記事を載せている。どうやら先の「戦後最長の景気拡大」そのものが消えてしまいそうである。「最長の拡大」「初めての憲法改正」「北方領土問題解決」「拉致被害者返還」「東京オリンピック開催」などなどレガシーづくりに強い執着を見せる安倍政権である。景気拡大の判断の基礎となる一致指数の基礎データに手が加わっていないとも限らない。安倍政権は嘘をつく、を前提に政府発表を斜に構えて見たほうが良いだろう。

 


ILC誘致に未練たらたら

ILCとは実験施設である次世代加速器「国際リニアエコライダー」のことである。日本誘致のプランでは岩手県と宮城県にまたがる全長20キロに及ぶトンネルを掘削し、その中に高速で陽子を衝突させる施設を置くというものだ。日米欧が分担する総工費が8千億円にも及ぶということである。そしてまだその費用分担比率も定まっていないとのことだが、35日の当ブログでも取り上げたように誘致国の負担が56割になるとのことだったと記憶する。なぜ誘致国の負担が大きいのかその理由は明らかでない、つまり「誰か払ってくれないか」型のプロジェクトなのだろう。

さて8千億円は巨額である。かつてサハリンから天然ガスを首都圏まで運ぶサハリンパイプライン構想なるものが存在したが同程度の巨額の建設費用が見込まれていたようだ(要確認)。そのサハリンパイプラインの場合、まだ全くの構想段階にもかかわらず、石油資源開発の社長が鉄鋼エンジ会社へ天下った経済産業省出身者をとある料理屋に集め、工事区間の割り振りを決めていたということがあった。

8千億円規模のILCの場合も、トンネル工事担当会社などの調整がすでに行われ、誘致成功に向けての、あの手この手の”運動”やら”口利き”やらが行われていると見るほうが良いのではないか。そういう状況ではまことしやかな顔をした応援団が現れるものだ。

さて、このILC誘致を37日の東京で開催中の物理学の国際学会までに発表してほしいと世界の研究者が願っていると、産経新聞の中本哲也論説委員兼科学部編集委員が述べていた(産経新聞224日)が、文部科学省は「現時点では日本誘致の表明には至らない」としたとのことである。

これに関する伊藤壽一郎記者の記事では、「ILCを誘致できるのは日本だけだ」とあるが、224日の中本記事では、「ILCが日本でなく中国に建設された場合との落差を考えると誘致を見送るという選択肢はありえない」と書いていた。同じ産経新聞社で何と意見の統一が図られていないことか。どちらかが嘘なのであろう。

この伊藤壽一郎記事に続いてその中本哲也の記事が続いて存在する。その見出しは「国際科学都市実現への一歩に」である。見出しというものは一番大事なことを簡潔に書くものである。224日の中本記事のILCの効果、メリットの第一は、「素粒子物理学の分野で国際貢献を果たす」であった。なぜこれが「国際科学都市実現」になってしまったのであろうか。それも単なる「一歩に」とあれば、まだまだ追加の費用が掛かりそうではないか。

新聞が国民のためにあるのであれば、そして新聞社がそのように考えているならば、巨大科学プロジェクトの真実、暗部をこそ取材し、洞察して記事にすべきではないのか。どこか特定のところの意を受けたような記事を目にすると不快感を覚える。

付言する。中本記事には「国際科学都市で生まれる異文化交流は、日本にとって宿命的な課題であるグローバル化を劇的に進展させるだろう」ともある。東北の田舎に、物理の素粒子の専門研究者が集まったからと言ってなぜそれが「日本のグローバル化」を劇的に進展させるんだ?まるでかつての全学連のアジビラの如しである。いやはや!

更にもう一言、日本が地震国であるのを忘れたか?東日本大震災というM9の巨大地震も経験したその宮城―岩手にまたがる20キロにも及ぶ長大なトンネルなど、もともと建設し維持するのに適さないと判断すべきではないのか?「地震で壊れりゃ、また儲かる」なんて言う不埒な声が聞こえてくるような気がしないでもない。

「補足」

ちょっと古くなるが、今年1月27日の産経新聞日曜版に「欧州で新型の加速器構想」なる伊藤壽一郎の記事が掲載されている。日本に誘致しようと中本哲也が主張するILC、20キロのトンネルどころの規模ではない。なんと1周100キロと1いう格段に巨大なものだ。スイスとフランスの国境付近に建設を計画するというのだから地震大国日本に建設するよりはるかに安全だろう。この計画があれば、ILCの緊急性はないのではないか。物理学の研究のためのトンネルであって、トンネルのための物理学研究にならぬように監視が必要だ。

 


INPEX(国際石油開発帝石)はイクシスの追加開発を秘密裏に実施中?

最近、INPEX(国際石油開発帝石)のイクシス開発に関し、例えば、

“In addition, Subsea 7 has submitted bids on the Inpex-operated Ichthys 2”

https://www.upstreamonline.com/hardcopy/1718582/subsea-7-steels-itself-for-surf-boom-in-2019

といった記事を目にするようになった。イクシスLNGプロジェクトは工程遅延とコストのブローアウトもあって商業性に問題のあるプロジェクトだが、ようやくLNGの生産も出荷も行われることになったところである。しかも膨大な借金(債務)を抱えている。しかるになぜこの時点で第二次開発なのであろうか。前回のブログでは、埋蔵量の決定的な不足があるのではないかとの疑問を提起した。もちろん「隠蔽クス」よろしく肝心の評価データは表に出てはこない。

ではイクシス2次開発との計画がないのかと思えば、それを検討していたことを示す記事が見つかるのである。

例えば、“World’s four leading subsea equipment suppliers to compete in FEED bid for Inpex’s Ichthys phase 2 development over the next four to six months.”

という記事が2018年4月17日に出た(https://www.mentorimcgroup.com/2018/04/17/world-four-leading-subsea-equipment-suppliers-to-compete-in-feed-bid-for-inpex-ichthys-phase-2/)。この記事にある「イクシスのフェーズ2開発」とは何だろう。記事の冒頭に約1年前の時点でなされた説明があるので紹介しよう。

For two years, Japanese operator INPEX have been planning phase 2 of their Australian offshore gas development, Ichthys, which is intended to almost double the rate of production through the drilling of new wells, although the exact work scope is yet to be confirmed. The Ichthys initial phase had been described as “three mega projects in one, with some of the world’s biggest and most advanced offshore facilities”. The projected rates of the new phase 2 development are an increased 2.4Bcfd of gas, and the capacity of the two LNG trains is also due to increase.

内容は、詳細なワークスコープはこれから決定されるだろうが、国際石油開発帝石はイクシスのガス生産レート(量)を追加開発井の掘削によって約2倍にしようとしている、というものである。そして、2LNGトレイン分が目標とされているらしい。

この話が本当なら、国際石油開発帝石はイクシスの現在までの開発にかかわる費用のための借金返済が終わるどころか始まるかどうかの段階でさらに巨額の資金調達の必要が生じる。ビヘイビアーは常識的ではない。やはり埋蔵量不足とのやむに已まれぬ事情があるのかもしれない。トタールが権益を縮小しようとする行動もそれなら理解できる。

このイクシス2次開発自体、コントラクターの動きからもその存在は確からしい。例えばBOMBORA-ESPという会社はそれにかかわってきたようだ。

June 2016 – Granherne extends Bombora-ESP contract for INPEX Ichthys Phase 2a Pre-FEED Studies ("Studies Lite Part 2")

Following the successful concept studies, Granherne has re-engaged Bombora-ESP to provide Pre-FEED support to Ichthys Phase 2a. The work will see Bombora-ESP team members provide further engineering definition in readiness for FEED in 2017.

以前からイクシスの2次開発の検討作業が専門業者への外注を含めて長期に行われてきていて、今現在入札が行われているのであれば、当然国際石油開発帝石の事業計画に盛り込まれ、予算が計上されているはずである。しかし、国際石油開発帝石のホームページのイクシス関連の記述には全く触れられていないようだ。イクシスが生産を開始した直後であり、借金返済に向かう時点での新たな巨額開発プロジェクトの開始を株主等に説明しないで行ってよいものだろうか。しかも時間をかけて検討をした計画で突発的なものではないのである。それを公にしない理由は何か。東証一部上場企業としてのガバナンスに問題があるのではないか。IRをないがしろにしていないか。これで「健康経営優良法人019」に認定とは政府系企業に対するお手盛りか。(補足を参照)

付言すべきは、イクシスLNGプロジェクトは国際石油開発帝石(INPEX)の単独事業ではないことである。パートナーとしてトタール、CPC、東京ガス、大阪ガス、関西電力、JERA、東邦ガスが参加するものだ。年次計画と予算はオペレーティングコミッティー、マネージメントコミッティーで承認されているはずである。そしてパートナーは事業の部分的離脱を宣言しない限り、費用に関するキャッシュコールに応じる義務がある。すなわち東京電力、大阪ガス、関西電力などの日本企業の出資計画等としてそれぞれの企業内での承認を得ているはずなのである。さらに、オーストラリアにおける、イクシスが存在するような生産鉱区では、当然作業計画及び予算がオーストラリア政府に報告、承認を受けているはずなのである。また、資金を借り入れで賄うのなら、融資を実行する金融関係への計画や採算見込みなどが説明されているはずである。

となれば知らぬは株主ばかりなり、という状況なのか。コントラクターだった千代田化工と(法廷)係争を抱えるこの会社が「東証一部上場」で「健康経営優良法人」と聞けば疑問を持つほうが普通ではないだろうか。国際石油開発帝石は経済産業省が黄金株をもって支配している企業である。すなわち、税金を使って運営しているものととらえてもよいだろう。その事業内容を国民と、一般株主だけに知らせないとの経営は国民を裏切るものではないか。国民の財産に関する事柄である。国会が監視しなくてはならないと感じる。もっとも、週刊誌の記事にならなければ問題に気が付かない役立たずの国会議員になど監視できないのかもしれないが。

諸悪の根源は、その無能さを別にして、国際石油開発帝石の「事実を隠し、嘘をつく」体質と、その天下り会社という構造的な欠陥であろう。

「補足」

「健康経営優良企業」について思い違いをしていた。当然、「経営が健康」な優良企業の認定制度だとその名称から思っていたのだが違った。不正などしない、良心的経営をしているとのイメージを抱いただけに、なぜ事業の実態を隠し、商業性にも疑念があり、他国政府との約束を守らず、関係会社と訴訟に至るような係争事件を起こし、「健康」という面では、イクシスでの作業員死亡事故、潜水夫の脳障害、異常に多い自殺者などからはHSEに大きな問題があるこの会社が、従業員などの健康に関する投資をしている程度で表彰とのまるで厚生労働省所管のような「健康経営優良企業」に選ばれるのがどうしても理解できない。健康対策に金を使ったが、従業員の健康を守らなかった会社の表彰は、同じ経済産業省一家としての「お手盛り」に見えるのである。経済産業省の言う「健康経営」とは「経営の健全度」とは無縁のものという点にご注意いただきたい。私は意味を取り違えてブログ記事を書いてしまったが、当初の印象を残す意味でも、修正せずにそのままご覧いただくことにした。それにしても厚生労働省みたい…、経済産業省の施策のタネ切れ感大である。

 


「政治は結果だ」と聞いたが、またもや意欲の表明なのか?

37日の産経新聞の記事に、

「安倍晋三首相は6日、北朝鮮による辣被害者家族会の飯塚繁雄代表らと首相官邸で面会し、トランプ米大統領が2月末の米朝首脳会談で金正恩朝鮮労働党委員長に拉致問題を提起したことを報告した。首相は「次は私自身が金氏と向き合わなければならない」と述べ、拉致問題の早期解決に向け日朝首脳会談の実現に意欲を示した」

とある。随分と異なことを聞くものだ。この方、「政治は結果」とか言っていなかったか。「意欲」とか「決意」など何千回“表明”したとて何の意味もないことではないか。確か第二次安倍内閣が発足した時にも「拉致被害者を私の内閣で取り戻す」と明言していたように思うが…。すでに自民党総裁も任期を延長しての3期目である。何もできなかったことが明白ではないか。それでも安倍内閣では拉致被害者を取り戻すどころか北朝鮮との話もできないことをようやく知り、頼まれることが多い”口利き”を、安倍首相からトランプ米大統領に頼んでみたというところではないか。その口利き料がべらぼうに高い点はここでは追求しないことにするとしても、いくら何でも日本が北朝鮮に何のパイプもないとは…。外務省は何をしてるの?朝鮮総連という組織も東京に本部を置いたままではないか。いくらでもやりようはあるのではないか。出来ないのか、或いはしないのか。

ともあれ安倍晋三首相は「次は私自身が金氏と向き合わなければならない」と述べた。これもあきれる発言だ。「次」ではなく「最初から」向き合わなければならなかったのである。まるで金持ちのガキの言い訳のような、と言ったら失礼に当たるか。

トランプ大統領に頼んで伝えてもらった「私(安倍晋三首相)の気持ち」なるものが気にかかる。トランプ米大統領が「拉致問題を解決しないと日本は経済援助ができない」と言ったという話が漏れてきているのだが、いったいいくら払うという気持ちを伝えたのか。誘拐犯が被害者を返したら金を払うというのは、身代金支払いに応じること、すなわち誘拐という罪を不問にするばかりか、金まで支払うということであり、それは誘拐犯への屈服を意味する。拉致と言葉を代えても実態は同じではないか。そんなことでよいならずっと前に北朝鮮に経済援助という名の身代金を支払って拉致被害者を取り返せたのではないのか?拉致被害者も、竹島も、北方領土も何も返ってきてなどいない。政治は結果とは言うだけで、結果(成果)など皆無だったのである。

同じ37日の産経新聞の「直球&曲球」欄に葛城奈海が北朝鮮による日本人拉致に関して「米国依存では解決しない拉致問題」と題する一文を寄せている。

「日本は米国に依存して拉致被害者を取り戻せるという夢から覚めるべきではないか」

とある部分は、実際に米国依存しているのが国民ではなく安倍晋三首相なのだから、「安倍首相、いい加減に目を覚ませ!」と言っているのだろうし、結語の、

「他者に依存せず、自国の意思を毅然と体現すること、本気で拉致被害者を救出しようとするなら、避けては通れない道のはずだ」

など、明らかに安倍首相の間違いを指摘しているのである。しかも「本気ではありませんね」とのニュアンスを込めてである。

それにしてもまだ若い葛城女史に言われるようなことが、どうして自民党では爺様議員も含め誰も指摘できないのだろう。こういう連中のつくる”骨太”の方針なるものは見かけは太くとも、その骨はスカスカなのではないか。

補足がある。3月12日に地村保志氏や「救う会福井」の人と官邸で面会した安倍首相は「国民的な気持ちが高まることが極めて重要だ。力を合わせて解決に結び付けたい」と述べたそうだ(産経新聞)。気持など何十年も前から高まっている。行動しない、できない政府に問題があるだけだ。国民的な気持ちの高まりで拉致被害者が戻るのか、そんな、現在でも「竹やりでB29を落とす」みたいな考え方の安倍首相に任せておいて拉致被害者が戻るとは思えないが。また安倍首相の「あらゆるチャンスを逃さないとの決意で、最終的には私自身が金氏と向き合う」との発言は翻訳すれば、「拉致被害者を戻すとの話が実質的に出来上がったら、金氏との最終的形式的セレモニーとしての会見に臨みます」と言っているにすぎない。残念なことではあるが、拉致被害者が死に絶えるのを待っているのが、政府の本音なのではないだろうか。もちろん否定するだろうけれど。

 


園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(181)東大工学部の非常勤講師(3)

東大工学部の非常勤講師をして2年目のことだったか。当時の地球システム工学科の小島圭二教授から「博士号を取得しませんか」とのお声掛けを戴いた。石油資源開発入社前だけでなくその後も若干の論文発表をしていたことをご存じで、少し形を変えてまとめれば博士論文となるとのことだった。

あまり手をかけている時間もない状況だったのだが、せっかく声をかけてもらったことでもあるしと気持ちは迷っていた。そこでまとめた論文の審査がどのように行われるかを尋ねてみた。すると、確か「レフェリーの先生が4人いるので、その先生方に挨拶をしてください」とのことだった。どうやら個別に挨拶に行くということは何らかのお礼をするとの意味のようだった。その瞬間に結論は出た。博士論文を書くこと自体をしないことに決めたのである。

石油資源開発ではかつて名古屋大学をW先生が退官するからと、多くの探鉱関係者が会社のデータを使った”博士論文”を書き、ドクターが急増したことがあった。はは〜ん、その時も何かがあったのだな、と感じた。

くれるというならともかく、お願いしてまで、まして金品を届けてまでしての博士などまっぴらと思っていたので、小島先生には丁重にお断りをした。そのころ社内の某氏が、某私立大学に20万円を支払って博士になったなんて話を聞いたものだから、なおさら「そんなのと一緒にされてはたまらん」との気持ちも働いた。

 


こんな教育論でいいのか?

36日の産経新聞に「『解答乱麻』はおわります」とあったからこれが最終回なのであろう。最後の「解答乱麻」を担当したのは、バッカーズ寺子屋塾長の木村貴志である。題が「もの言わぬ日本人から脱却を」という、“教育論”に似たもののようである。

国際社会における日本人の弱点について語っているのだが、

「弱みの一つに、自分の考えを持たず、発言したがらないことがある。学校での学びには公平な評価が必要だ。だからテストがあり学ぶことには正解がある。その当然の前提が「知らないこと=良くないこと」という意識をつくる」

「「正しい答えは必ずあるものだ」「間違えたら無知をさらすことになり恥ずかしい」との意識が醸成され先生からの指名という危険をできるだけ回避したい心の習慣ができる」

何か勘違いをしているようだ。自分の考えを持たず、発言しなくても時が過ぎていく、ぬるま湯の中のような環境に生徒を置くからそうなるのであって、我々団塊の世代のすさまじい競争社会では「知らないことはよくないこと」「無知をさらすのは恥ずかしい」からこそ、知識を増やし、間違えぬように努力したのである。競争のメリットなど、ぬるま湯で育った教員に理解できないのではないか。それこそ無知なのではないかと感じる。

「違う意見を言うと笑われる危険性があるので「同じです」という答え方は、授業でも学級会でも安全な答え方としてよく使われる」

これもわかってないなあと感じるものだ。他者と異なる、しかも説得力のある意見を述べてこそ「あいつは凄い」と一目置かれるのである。「同じです」などと答えていては、その他大勢に埋没してしまうという危機感がない先生なのだろう。

このような考え方をしておいて、

「学びと生き方に対するPassiveな姿勢を如何(いか)にActiveなものに変革するかがこれからの教育の大きなテーマだ」

と書いているのも理解できない。Passiveの反対はPositiveだということは別にしても、このような分析をしているようではそれは叶わぬだろう。続く部分の論理が良くわからない。

「集団の陰に隠れぬためには、「個の確立」が大切だ。それは、自分の考えと意志、判断力・決断力を持つことである。その土台として、勇気、公正、公平といったプリンシプルや教養を身に付けることが大切だ。そのためには「聴く・読む・書く・話す」の4つの基礎的学びの奥深さと重要性を熟知した教育実践が必要だ」

の部分だ。

「「聴く・読む・書く・話す」の4つの基礎的学びの奥深さと重要性を熟知した教育実践」があれば、「勇気、公正、公平といったプリンシプルや教養を身に付けること」ができるというのか?そして、それが土台になって、「自分の考えと意志、判断力・決断力を持つこと」が可能になり、その結果として、「集団の陰に隠れぬための「個の確立」」ができると言うのか?この木村貴志はそう考えているらしいのだが、「風が吹けば桶屋が儲かる」類の“お話”にしか聞こえまい。

私は大学の講義でも一番前の真ん中に陣取っていた。同じことをするものも数多くいた。そして先生にはそれこそ熱血教師がいた。甘やかしのないシビアな競争的教育環境、熱血教師、そして個を主張する、多と異なることを尊ぶ環境があればすぐにも解決する問題のように感じる。

そもそもそういう教育対象にならぬレベルのものにまで教育を広げたことが大きな問題ではなかったか。憲法にも「国民はその能力に応じ」教育を受ける権利を持つと書いてなかったか。ビジネスとしての教育業を真の教育に改めるのが先であろう。

日本の未来は暗いとの印象を持った。

 


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