国土強靭化など古い、国土柔軟化の時代ではないだろうか

災害に見舞われるたびに防災対策の必要性が叫ばれ、政府が「国土強靭化」なる政策を掲げる。災害に負けない防災設備整備、インフラ整備を進めるというのである。そこに、震災復興、五輪誘致と言ったものと同様の、土木産業などへの仕事づくりの意図を感じてしまうのは私だけではあるまい。

矛盾のことわざ通り、どんな矛も通さない盾は存在しないし、どんな盾をも貫く矛も存在しない。例えば堤防工事でも設計段階でどの程度の水が流れてくるかの想定をしなければならない。10年に一度の大雨を想定するか、100年に一度の雨を想定するかで設計は大きく異なる。それを千年に、万年に一度のと条件を上げると、途方もない工事になる。

福島第一原発の津波の想定を小さくしていたのは東京電力が工事費をかけたくなかったからであった。結果的にはカネをケチって大金を損することになったが、この場合は国民に付けを回して、カエルの面にションベン、である。

地球温暖化が地球システムを狂わせてしまったためだろう、昨今の気象など異常だらけである。200年に一度の大雨が稀ではなくなった。日本で連日35度などという高気温が続くようになった。異常が通常になってしまったのである。この状態が続くなら、古代であれば民族大移動が起きてもおかしくない。

従来これで十分だと考えていた堤防のスペックが明らかに不足になってしまっているのである。と言うと、ここぞとばかり土木族議員が堤防強靭化を叫び始める。スーパー堤防などその典型だろう。

待て暫し、攻撃への対処には、守りを固めるだけではなく避ける、かわすというものがあったはずだ。曾祖父が残した撃剣の写真を見ても、柔道の「押さば引け、引かば押せ」と同様に、相手の剣が迫る時には間合いの外に身を置き、相手が引く時に敵に打ち込むのである。剣を撃ち合うのは下とされたのである。だからこそ間合いの見切りが重要であり、抜き胴が効果的であったのだろう。

同様に今後どれだけ降るか分からぬ雨に対して、単に堤防を強化するのは愚策と言えよう。洪水が起きることを前提に、溢れた時のたまる水を排出する排水システムを構築すべきではないのか。一つは放水路の整備であり、もう一つは水をためてしまう地形の、排水可能な地形への改変である。

「国土強靭化」にこだわるより「国土柔軟化」との発想が必要ではないか。宮城県が進める防潮堤工事など、それをはるかに超える津波が来ればむしろ害をなす代物となる。それより津波が来ることを前提に、害を避けるソフトと、それを支える、柔軟な施設の方が重要だろう。いい加減に土木工事が目的の政策など止めるべきではないか。発想が貧困にすぎる。

 


何と愚かな「産経抄」!

811日の産経新聞一面のコラム「産経抄」を読み始めて驚いた。先ずは冒頭部分を引用しよう。

「例えると、取締役会で現職社長の解任動議を出しておきながら、否決されても「ノーサイド」(敵味方なし)で行きましょうと予防線を張っているようなものか。10日、自民党総裁選への出馬を表明した石破茂元幹事長の言い分のことである。政治の世界はそんなに甘いものだろうか」

企業の取締役会での社長解任動議は通常「クーデター」と呼ばれる行為である。自民党総裁選は総裁を選ぶ選挙である。選挙であるから複数の立候補者を立て、その方針を聞き、そして有権者がいずれかの候補者を選ぶという手続きである。

社長選任の時の取締役会でもない時の、社長解任動議提出とは全く異なるものであり、到底喩えに使えるような内容のものではない。

或る県での知事選に、現職と新人が立候補した状況を、現職候補を社長に見立て、新人候補を社長解任動議提出者に見立てるなど「阿呆」でも考えないだろう。

この様な程度の低い頭脳と知識の持ち主が「産経抄」という代表コラムを担当しているとは驚いた。お粗末極まりない。こんな記事をカネを取って読ませるたあ、恥ずかしかあねえのか!!

 


常葉菊川と聞くと高校野球に興味などないのに

プロ野球に全く興味がないだけでなく高校野球にも興味がない。しかしネットニュースに常葉菊川の文字を見ると少し心が動く。

静岡県菊川氏は私が生まれた場所なのである。正確にはかつての小笠郡堀之内町新通りの生まれだ。父が榛原高校の教員から移り、堀之内中学校の校長になって同所に住むようになったという。記憶は全くない。生後半年で、磐田郡福田町に移った為である。

それでも生まれ故郷の名前が付いた高校だと不思議なことに親近感を覚えるのだ。

もう一つは常葉である。常葉は浜松のお寺が浜松で始めたものが始まりの筈である。現在の常葉グループの総帥は木宮一邦(?)だと思う。この木宮氏は東京大学大学院の地質学教室の先輩である。第5講座、すなわち堆積学の飯島東先生の弟子である。私が飯島先生に可愛がられ、講座が異なるにもかかわらず、飯島先生を囲む会に出席して木宮さんを知った。

常葉菊川と聞くとその二つを同時に思い出す。一度くらい我が出生の地を訪ねてみたいと思うようになった。

時に、本日は敗戦記念日である。幾多の英霊に敬礼し、臥薪嘗胆を誓い直し、The day will comeを信じ直す日にしたい。

 


菅直人政権と同じだから駄目だ、何とも非科学的な櫻井よしこ

「あいつと同じ行動だから駄目だ」と言えば、それは馬鹿の論法である。教育を受けた人間なら「その行動はこういう理由で駄目だ」という。櫻井よしこの頭と言動は既に老害の範疇にあるように見える。或いは影のライターの無能の反映なのかもしれないが。

「国益や国民生活の安寧よりも、反原発のイデオロギーそのものの菅政権の政策と瓜二つの自公政権のエネルギー政策は、すでに破綻している」(86日の産経新聞、「美しき勁き国へ」)

との部分からは、菅政権の悪口を言いたいが為の文章であることが分かるだろう。似ている似ていないではなく、「これこれこういう理由で破綻している」と述べればよいことだ。前半では「菅政権」と呼び、後半では「自公政権」と呼ぶのも政治的配慮、すなわち歪んだ表現である。「菅政権」に対応させるなら「安倍政権」とすべきだし、「自公政権」と対応させるなら「民主政権」とすべきだろう。櫻井よしこの偏向ぶりが如実に表れている。

「近未来、太陽光や風力のように変動する電源を主力電源に据えることは気象学、経済学の視点から、極めて難しい」

とあるが、現在の太陽光発電、風力発電の状況からしか判断、評価できない科学音痴の意見と言えまいか。日照の不安定さを言うなら、例えば雲の上の高さにパネルを設置すれば問題ない。いずれ宇宙で発電することも可能となる。科学者に課題を与えればかなりのことは解決できるものだ。

「中国も世界もより高度の原発エネルギーを土台とする国づくりに邁進する中、日本だけが完全に脱落するのか」

を見れば、さらに櫻井よしこの頭脳が見えてくる。世界が原発を増やそうとする中での原発削減、放棄は必ずしも脱落を意味しないのではないか。それが「先覚者」の行動であるかも知れないと考えられぬのか。

とにかく原発利用促進を掲げて自説を展開するのはまさに“イデオロギー的”である。その意味では櫻井よしこの言う「反原発イデオロギーの菅政権」と同様に非科学的である。その自らの姿が認識できないところに櫻井よしこの限界が露呈しているようだ。

良く分からぬものが、世に影響を与えるような、しかも誤ったメッセージを発するこの状態こそ、国家基本問題として取り上げるべきである。脚下照顧!!

 


『奇跡の回収』の電子出版をした

オーストラリア北岸沖のチモール海で石油探査井の掘削作業中に水深500m以上の海底に90トンもの装置が落下、探査井は制御不能となった。世界的に珍しいBOP落下事故にも回収事例があった。しかし回収に成功した場合でも回収に6カ月を要したといった例がほとんどであった。

このケースでは、石油開発会社の現地事務所と掘削請負の米国海洋掘削会社のたぐいまれな協力関係により、落下から6日での回収という奇跡が起きた。世界記録を達成しても評価されることなく埋もれたままではと、フィクションとして纏めてみた。

『奇跡の回収』(arakahi books)は、その1日1日を、克明に追う物語である。このような事態に遭遇した際の危機管理の手本としても一読の価値があろう。なお、この物語は2,000年に起きた実際の事故とその対応をモデルにしたフィクションである。現実のプロジェクトやオペレーションというものを知らない天下り経営者にも役立つものではないかと思う。

以下に電子書籍の紹介文を載せておく。

キンドル版の販売価格は400円である

まるでノンーフィクションのようなフィクションをお楽しみいただきたい。

(紹介文)

2,000年のこと、オーストラリア北岸沖のチモール海で石油探査の試掘井掘削中に金属パーツを坑内に落としたが、それがBOP内に引っかかってしまった。それを取り除かなければ坑内作業が不可能なため、掘削中に取り外すことが許されないBOPを掘削リグ上に回収した。そして内部から金属パーツを取り去り、いざBOPを海底に戻そうとした時、作業員の誤操作によりBOPの下部約90トンの装置が水深500m超の深海底に落下してしまった。

坑井がノーコントロールになっているのでセメンティングを実施するも逸水、やむなくEZ−SVをメカニカルセットし、ウェルヘッド、BOPの状態確認、メディア対策、BOP回収法の検討など矢継ぎ早に決める。コントラクターのダイアモンドオフショア社は石油開発会社と密接な協力態勢をとり、回収に向け昼夜兼行で取り組んだ。BOPのダメージを考え、万一に備えシンガポールにBOP検査官を派遣して、代替品の調達準備を並行して行った。そして事故発生から6日目に遂にBOPの回収に成功する。この短期間での成功は世界記録であった。

ダイアモンドオフショア社の副社長の述懐が印象的だ。

「我々はこの事故とその後の協力関係から、対立ではなく融和なんだと言う東洋の心を知りました。初めての経験でした。これからのわが社のオペレーションにその心を生かして行きたいと考えております。ミスター島野、あなたが世界のどこかで坑井を掘削するときがありましたら是非ご連絡ください。私たちはあなたのために掘削作業をすることを喜びと感じています。ダイアモンドオフショアはいつでも、何処でも、あなたに出来る限りのサービスを提供したいのです」

責任のなすり合い、押し付け合いではなく協力が危機管理上の最重要なファクターなのだと教えてくれている。

石油開発関係に従事している人ばかりではなく、プロジェクトというものに携わる人たちの参考になると思う。

 

 


アヴェード ヴァスクレセーニィヤ(みちたけランチ)(211)

本日の特別ランチは「アナゴのフリット」である。山椒をまぶして揚げているので香りが良い。かかっているのは、味噌バターソースと紫蘇ニンニクオイルの2種である。カボチャとミニトマトが添えられている。

そして椀が珍しい鯒の吸い物だ。

鯒は体の形が独特で、何とも捌きにくい魚だが、その苦労を厭わせないうまさがある。特にうすづくりにした刺身が旨い。もう一つが吸い物か潮汁だ。えも言われぬ出しが出るのである。横浜時代は結構口にしていたが、仙台に来てからは滅多に食べることがなかった。久々に鯒の吸い物を味わった。

 


園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(151)勇払の地質基本概念

勇払での地震探鉱データから隆起部が推定され、そこに試掘を行ったところ、何と考えもしなかった基盤岩である、花崗岩トップで大逸泥が発生し、テストをしてみたら、そこからガスの産出を確認した。全くターゲットとして想定していなかった貯留層からのガスの発見であった。つまり発見は偶然のなせるわざ、予想などしていなかったことなのである。したがって、発見自体は手柄話にするようなものではない。

追加の地震探鉱を実施したところ、構造の頂部は別の位置だと解釈され、次の試掘はより西側に掘削された。いずれも「南勇払」と言われるブロック内でのことである。これから分かるように、地震探鉱データはほとんど役に立たないものであった。石狩夾炭層の所で、炭層という低速度の層の存在が、いくつかの強反射を示すだけで、一般的に白抜けに近い断面しか得られなかったのである。

次に沼ノ端地区に試掘を行った。その結果南勇払のブロックよりかなり高い位置に花崗岩トップがあることが分かった。物理検層を実施しても花崗岩体であるので、何処がガス層という区別が困難だった。掘削中の突然の逸泥がガスを産出するフラクチャーの存在を示すもものであった。その沼ノ端での試掘井は断層かとも考えられる大きなフラクチャーに出くわした。そこからのガス産出は従来に比べ桁違いのものだった。

さらに北のあけぼの地区では花崗岩トップはさらに浅くなった。ガスは産出するも沼の端ほどではなかった。

概念的にはこの正断層で落ちた東側の夾炭層内に生成したガスが花崗岩体のフラクチャーに移動したガス集積と考えられた。

逸泥ゾーンごとに生産テストを実施し、産出データを集めたのだが、坑井毎にフラクチャーの発達位置が異なっているので、貯留層としての地質モデルの構築が不可能のような状態であった。

(仙台の七夕祭りの写真)

 

 


村井宮城県知事は何故県民サイドでなく業者サイドに立つのか?当然の不信感

宮城県気仙沼市魚町の防潮堤工事で計画より22センチも高く工事が行われた件につき村井宮城県知事に対する県民の不信感が高まっている。

先ずはネットニュースを読んで欲しい。

(記事引用始め)

宮城県気仙沼市魚町地区に建設中の防潮堤の一部が県のミスで計画より22センチ高く造られた問題で、地元住民らでつくる「内湾地区復興まちづくり協議会」は7日、同市役所で記者会見し、県が示した陸側かさ上げ案を受け入れない方針を明らかにした。問題発覚後の県の対応や進め方に地権者の不信感が根強いことなどから、県の提案には合意できないと判断した。協議会は改めて計画通りの高さにする「造り直し」を求める

(一部略)

県に不信感を募らせた理由として、5月に開いた協議会の会議で、住民側が造り直しを求める意見に集約したにもかかわらず、出席した村井嘉浩知事が即座に否定し、誤った高さのまま完成させる方針を示したことや、県がミスの責任の所在を明らかにしないことなどを挙げた。

(記事引用おわり)

建設業者はコストを圧縮して利益を最大化するために努力するものである。100mに対する22センチは0.22%の違いだが、ほんの4−5メートルの高さの防潮堤であれば22センチは5.5%(4メートルの場合)という大きな比率の間違いと言える。

プロがそのようなミスをするわけがない。第一、契約当事者である宮城県の監督官が工事をチェックしている筈である。こういう”間違い”が起きた場合にはすぐさま修正が図られるのが常識だ。宮城県と業者間の契約書を厳密にチェックすべきだろう。県議会は何をしているのか。

資材部長を3年間勤めた経験からは、このように工事仕様から大きく逸脱した工事が行われた場合は、即座に工事業者が修整するものである。工事仕様から大きく外れたものなど検収されないのが常識だ。

しかし、村井宮城県知事は防潮堤が仕様通りではなく高くなっているから、仕様通りに直して欲しいという地元県民の要望を即座に拒否したのだそうだ。何故か、理解できない。業者との特別な”話し合い”でも既にしていたかのような様子ではないか。そして村井知事は、こんな間違いの原因についても責任についても全く語らないのだという。怪しい!

さらに村井知事は、工事の修正ではなく、防潮堤の陸側の土地のかさ上げ工事を提案したとのことだ。防潮堤工事の”ミス”を理由に新たな土木工事を提案しているのである。それは防潮堤工事の業者が費用を負担するのか?まさか県民の税金で防潮堤工事業者の尻拭いをするのではないだろうな。

かつて防潮堤工事を無人の島にまで行おうと計画したと聞いたことのある村井知事である。県民サイドでものを考えない態度(特徴)は変わらないようだ。

かつて県知事と言えばダム建設と言った大型土木工事を好むものだった。ダム建設は、減反政策もあって水需要が減り、計画されなくなった。大型土木工事が東日本大震災を機に出てきたが、防潮堤はその象徴的なものだろう。

何はともあれ、仕様から大きく外れた工事に対しては支払いをせずに、仕様通りに修正させるのが当然である。そして工事遅延などに対して賠償させる必要もある。大きなミスを犯した業者は指名停止にするのが普通である。余りに業者側に偏る場合にはそこに何かがあると見なければならない。とにかく、記事通りだとすれば、この態度は怪しい!!

 


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