櫻井よしこの皇室理解が浅薄に見える

首相の演説をスピーチライターが用意するが如く、多忙極まる櫻井よしこの寄稿にも”ゴーストライター”がいるものと推察される。他者の書いた原稿はよほど注意して読まなければ間違いや不用意な点に気が付かないものだ。どこかの記事に、櫻井よしこが寸暇を惜しんで原稿に赤ペンを入れていたとあった。まさしく届けられた原稿のチェックをしていた光景なのだろう。

さて1月7日の産経新聞の「美しき勁き国へ」の題は『皇統の危機 論じるとき』というものである。読めば、櫻井よしこが皇室、皇統、そして象徴天皇をどのように考えているのかが分かって興味深い。とにかく物を知っているように見せてはいるが実はあまり知らないのではないかと感じる。右派言論界の”人寄せパンダ”的な役割を担っているのかもしれない。いくつか例を示しながら問題点を指摘しよう。

「国民の敬愛する皇室は、代役のかなわない神事や儀礼を担い続けることで、権力とは無縁の特別な権威を巧まずして身にまとう」

ここで「特別な権威を巧まずして身にまとう」という言葉の何と古色蒼然としたことかという感想はともかく、それは櫻井よしこの個人的な感想のようなものであろう。また、「権威」なる言葉は『大辞泉』によれば他の者を服従させる威力。ある分野において優れたものとして信頼されていること(オーソリティ)」とあり、現在の天皇にはふさわしくない言葉であろう。かつての天皇機関説にもあるように、元々特別の権威などないのだが、特別な権威を持たせて政治的に利用してきた明治政府のような考え方であると言える。

「日本国の特徴は天皇が宗教の主宰者であることだ。天皇と皇室は祈りの主体であり、皇室を別格の権威としていただくのが日本国である」に至っては明白な間違いではないか。先に「神事や儀式を担い続けることで」と書いているところから櫻井よしこがここで言う宗教とは神道のことだと思われるが、多くの資料や研究により、歴代天皇は神道ではなくむしろ仏教を奉じてきた様なのだ。11世紀或いは13世紀以降江戸時代末期までの極めて長い期間において天皇の即位は仏式(密教式)の「即位灌頂」によってなされてきたのである。「万世一系」という言葉も考え方も明治維新の立役者の一人、岩倉具視(ともみ)が「王政復古議」(国立国会図書館所蔵『岩倉具視関係文書 第一』所収)という文書によって初めて示したものという。歴史に学ぶというならば、個人的想いや願望を事実の如く書くべきではない。

「長い歴史を紡いできた皇室を末永く大切にしたいと誰しもが願う」

これまた櫻井よしこの願望に過ぎない。本当に国民全員がそう願っているのか。もし皆がそう願うなら、日本に異文化の移民などを受け入れるべきではないと誰しもが思うのではないか??ところが日本の代表者たる安倍首相は移民受け入れに並々ならぬ熱意で取り組んでいるのであるぞ。安易に「誰しもが」などと言うべきではないのである。

「天皇陛下直系の光格天皇の思いを汲めば、いまは大嘗祭のどこが宗教的なのかより、国家、社会における宗教の意味を、真正面から問う時だろう。そのうえで、日本国民の集合体としての国家と国民国家を象徴する皇室が共に実施する儀礼としての大嘗祭の意義を理解することが大事なのではないか」

はさらに奇妙である。天皇の系譜が万世一系だと仮定すれば天皇陛下直系の天皇は、光格天皇だけでなく歴代天皇全てなのではないか。大嘗祭の復活をした光格天皇の思いだけを尊重、強調するのは意図的な誘導を目的とした文章である。こういうことをしてはいけないのではないか。

「皇室が存続してはじめて、天下万民のために祈っていただける」

この一文など、ジャーナリストのものとしては失格だろう。単なる天皇教信者の言葉としか思えない。そこに見えるのは象徴天皇ではなく、櫻井よしこの崇拝する天皇の姿であろう。もはや、歴史でも科学でも論説ですらなくなっているようだ。

 


国際石油開発帝石(INPEX)のイクシスで致命的ガス爆発の可能性を会社が認識?

驚くべきニュースが飛び込んできた。1月11日のThe West Australian紙は“Damning secret documents reveal deadly gas blast risk to WA workers at Inpex’s $63b LNG project off Kimberley coast”と題する記事を掲載している。「イクシスプロジェクトにおいて西豪州の作業員に致命的なガス爆発のリスクがあることがその秘密文書に明記されている」といったものである。

もう一つのニュースは同日のロイターのものだ。この記事は上記のThe West Australianの報道を受けてのものである。そのタイトルは、Inpex Ichthys LNG audit found electrical hazards – report”というものである。冒頭の部分だけを引用しよう。

“MELBOURNE, Jan 11 (Reuters) - An audit of the Ichthys LNG floating facilities, run by Japan’s Inpex Corp off northwestern Australia, found electrical hazards that could have sparked a gas explosion, an Australian newspaper reported on Friday.”

イクシスは既に操業しているのだが、このような状況にあるらしい。詳細に記事を読めば、深刻な状態が見えて来る。何でも危険エリア内での電気設備の半分以上で満足できる状態にないことが昨年のindependent Auditのドキュメントに記載されていると言うのである。

Inpexは修理はすべて実施済みで問題ないと発表しているのだが、従来の発表と事実との差異を顧みれば、そのまま信用してよいものか疑問に感じる。

詳細は以下の記事を熟読願いたい。

https://af.reuters.com/article/commoditiesNews/idAFL3N1ZB20K

https://thewest.com.au/business/energy/secret-docs-reveal-deadly-blast-risk-at-63b-lng-plant-ng-b881069411z

またBUSINESS NEWS (WESTERN AUSTRALIA)は次のように報じている。

The national petroleum industry regulator has responded to media reports that Inpex’s Ichtys LNG operation is unsafe……”

詳しくは下記のURLで確認願いたい。

https://www.businessnews.com.au/article/Ichthys-safe-regulator

とにかく、このような記事が次々に出てくるところに、少なくともオペレーターとしての能力不足が表れている。商業性がないだけでなく、安全操業にまで懸念があるのでは…

と原稿を書いたのだが、1月12日に続報が入った。The West Australiansの記事(続報)である。そのタイトルは、Regulator probe into shoddy Ichthys LNG work”(検査官がイクシスLNGプロジェクトの手抜き工事を証明する)というものである。冒頭だけでも紹介しよう。

“Audits revealing potentially fatal shoddy electrical work on gas facilities off WA are now in the hands of the offshore safety regulator after The West Australian reported their existence yesterday.

The regulator NOPSEMA yesterday requested the reports from Ichthys LNG project operator Inpex.

The audits found the Ichthys Explorer platform and Ichthys Venturer oil production vessel had poorly installed electrical equipment that could ignite gas and cause a fatal explosion.”

NOPSEMAの検査官は昨日(11日)に国際石油開発帝石に対し、その報告書を要求したとある。「手抜き工事」が暴露された状態のように見える。これが本当であれば、操業停止が命じられる可能性が高いし、この手抜き工事でガス爆発が起きたり、死傷者が出たりすれば、刑事責任が問われるだろう。既に世界中に恥をさらしているのだが、人命にかかわる手抜き工事となればなおさらである。勿論天下り社長の経営責任も、黄金株を持つ経済産業省の責任も問われなければならない。かつて日本の石油開発に身を置いたものとして情けない思いで一杯である。

「撃剣術の未熟者に眞刀などもたせてはならない」のと同様に石油開発の能力のないものにプロジェクトなどハンドリングさせてはならないことは自明なのだが。

以下のURLで詳細を確認されたい。

https://thewest.com.au/business/regulator-probe-into-shoddy-ichthys-lng-work-ng-b881071081z

そしてさらに1月14日にも追報が入ってきた。The West Australian紙の” Ichthys safety issues ‘no threat to gas project”と題する記事である。https://thewest.com.au/business/oil-gas/safety-issues-no-threat-to-kimberley-gas-project-ng-b881072664zutm_campaign=share-icons&utm_source=email&utm_medium=email&tid=1547424734664これによれば問題の指摘は初期の(古い)報告書ドラフトにあるもので、その後に修理が行われており、問題はないと国際石油開発帝石が言っているとの内容が主である。

これだけ危険の存在が懸念され、かつ新聞紙上での大騒ぎになっている以上、国際石油開発帝石はきちんとした説明を、エビデンスを付した形で公にすべきであろう。こんな大騒ぎになること自体が、マネージメント能力の欠如の証拠と言える。ビジネスとしての大失敗にとどまらず、いずれ何か大きな事態が起きるのではないかとの懸念が強まる。

次々にニュースが届く関係で、このブログ記事も継ぎ足し、継ぎ足しになってしまってこなれが悪いがご容赦を、そして読者自身でニュースを読んで確認してほしい。

 


このコメントは脅迫か?

今年(2019年)の1月2日に「有益なコメントを戴いた」と題するブログ記事を掲載した。そのブログ記事はhttp://sonodago.jugem.jp/?eid=996860で確認いただける。それは某氏から寄せられた「「園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(169)若杉社長との懇談会」と題するブログ記事(2018年12月23日掲載)に対するコメントについて書いたものである。内容は石油開発のプロと経済産業省からの天下り社長という素人とのプロジェクトに対する意識・認識の差についてであった。

さて、その「有益なコメントを戴いた」というブログ記事に対し、1月6日にたった一行のコメントが来た。

Погоди!冗談ですが!」

というものである。Погодиはロシア語で、「パガヂー」と読む。日本語での「待て!」という意味なのだが、狼とウサギの駆け引きを主とした「ヌ パガヂー」というアニメで、いろいろ仕掛けた狼が全てをウサギにうまくかわされた時に言う言葉がその題名となった「ヌ パガヂー」である。この時の意味は「待ってろよ!」だが、ニュアンスは「覚えてろ!」「今に見てろ」「今度はやっつけてやるからな!」といったものなのだ。つまり「仕返しをしてやる!」といった感じか。

冒頭に書いたブログ記事に腹を立てているところからは、石油資源開発の人間か、或いは経済産業省の職員が寄せたものと推察される。いやはやこれは脅迫か?

いじめ問題で匿名はあまりにも卑怯と、裁判所がSNSなどの投稿者の住所氏名などの開示をプロバイダーに命じたのはつい最近のニュースである。かつての誹謗中傷ブログを含め、度が過ぎると開示させられることになるぞ、と逆に忠告したくなる。

ともあれこの脅迫まがいのコメントを寄せたものの名前は「ゆー」と言い、そのIPアドレスは「27.142.227.123」である。誰だかは分からない。しかしこのIPアドレスからは過去にもコメントが寄せられている。2018年10月28日に「大統領」という名前で、「現代っ子は、匿名に慣れているのです。悪気はないのです。インターネットで匿名書き込みしたくらいでそんなに叱らないであげてください。」とのやや知的レベルの低そうなコメントを送ってきたのである。そしてこのIPアドレスを検索すると、http://bbs.fumi23.com/show.php?article_id=2276623&bbs_id=78という奇妙なサイトへの投稿者「わいわいにん」が登場するのである。はてどんな人なのやら。しかし、こんなのが本当に石油資源開発や、経済産業省に勤めているのかねえ?まさかとは思うが、ロシア語まで書いてくるんだから、いるのかもしれない。ITは詳しくないので、IPアドレスが一つのPCだけを示すと思っているのだが、違うのかな。

 


園翁自伝(石油資源開発時代回顧録)(172)タリムプロジェクト(1)

ある年の正月明けのこと、探鉱部の次長(国内担当)だった私に森田謙宏探鉱部長(後に常務取締役)から指示が出た。中国のタリム盆地の鉱区評価のために現地にデータインスペクションに行って来てくれと言うのだった。通常、海外プロジェクトのデータインスペクションには探鉱部の海外担当が参加する。例外的な対応だった。その案件は石油公団が企画したもので、石油公団がプロジェクト化を強く望んでいたようだった。かつて日中石油開発の現地所長を務め、中国と“親しかった“斎藤隆が石油公団の理事になっていた関係もあり、中国に配慮した動きが石油公団の特徴になっていた。

真冬のタリム盆地に行くことになった。サハリン以来仕舞い込んでいた防寒着などを取り出し、先ずは北京に向かった。勿論プロモーターとも言うべき石油公団の職員が引率していく。数社の民間会社が参加させられていた。

北京から目的地の、タリム盆地の北東縁の街コルラへの移動は何と中国共産党の軍隊が運営している航空会社の飛行機で行われたのである。この飛行機だが暖房がきいていない。厚手のコートに防寒ブーツと言ういでたちなのだが、とにかく寒い。体が自然に震えだす。足先などジンジンしている。

飛行機は楼蘭だのロブノールだのと言った砂漠の有名な場所を飛び越えていく。いや、核実験場付近を飛んで行くと言うべきか。そしてコルラに着いた。飛行機から出てタラップを降りる前に既に咳き込んだ。次から次に咳が出る。大気汚染なのだろう。後で聞けばコルラでの暖房などは石炭を使っているとのこと。街全体が有毒ガスに覆われているようなところだった。

 


人口減少に関して、産経新聞の「主張」はかく語りき

1月4日の産経新聞の「主張」は6段抜きの長文だ。日本の『人口減少の加速』について、「『現状維持』から決別を―縮小でも成長する国目指そう」との題の下で議論を展開している。全文は、

https://www.sankei.com/column/news/190104/clm1901040001-n1.html

で読める。抜書きして論旨を分かりやすくして見よう。

「少子化対策の強化とともに、まず高齢者の増加と人口減少に耐えうる社会への作り替えが急がれる。これまでの手法や経験から脱却し、新たな発想で一歩を踏み出す年としたい。急速にマーケットが縮小し、国内向け産業への打撃は避けられまい。税収は落ち込み、社会保障制度の破綻懸念も広がろう。少子高齢化が進めば勤労世代も減る。もはや人口が減ることを前提としなければならないということだ。減ってもなお経済を成長させ、社会が機能する方策を考えることである。

政府や経済界には、いまだに現状を維持せんがための政策や取り組みが目立つ。その代表例が、外国人労働者の受け入れ拡大だ。(しかし) これまでの発想による場当たり的な対応はいつまでも通用しない。

求められているのは「現状」への対応ではない。高齢化と人口減少をにらんで少人数でも利益が上がる産業構造への転換であり、高齢消費者のニーズの掘り起こしであろう。人口減少は産業構造だけでなく社会の仕組みや人々の価値観まで変えていく。現状を維持しようと無理を重ねるのではなく、変化を先取りする発想の転換が必要である。

人口が減っても経済は成長し、豊かな暮らしは維持し得る。その具体的な道筋を示すことこそ、政治に求められている。」

産経新聞の『主張』は少子化による日本の人口の減少に対し、現状の経済産業構造を前提として、「人手が不足だから外国人労働力を導入しよう」などという単純かつ幼稚な政策をとるのは間違いだと言っているのである。人口減少と共に縮小する経済を前提として、その経済産業構造をこそ変革すべきだと言っているのである。つまり真っ向から安倍政権の外国人導入政策を誤りだと指摘しているのである。

これからのAI利用で可能となる人手不要の産業構造への変換は、人口増加中の国では大量の失業者を生むために実現できない。その意味で我が日本は未来の社会のあるべき姿にいち早くなり得る大きなポテンシャルを持つのである。外国人などを導入してわざわざそのチャンスを失わしめているのが安倍政権だと言えようか。もっと将来・未来を見通せる人材を官邸に集めるべきだろう。日銀に株を買わせて景気浮揚、円安誘導で物価上昇、経済団体に要請しての賃上げなどなど現実の政策を見れば、何とも安直なものであり、禁じ手も含まれている。本来の政治の在り方から逸脱しているのは明らかであろう。

 


韓国を「中二病」となど言うのは間違いではないか

2019年1月4日の産経抄は韓国の幼さについて書いているのだが、その掘り下げがいかにも不足だ。何とこの正月休みに「中二病」という言葉に出会ったのだという。何でも新潮新書の「米韓同盟消滅」を読んで知った言葉だという。なるほど、にわか仕込みの言葉に飛びつくのだから、熟考・熟慮の結果を書いたものではない、平ったく言えば、この産経抄もにわか仕立てだということだろう。換言すれば真剣味が不足するということか。

「中二病」という言葉は、「中学2年生ぐらいの男子が、自意識にめざめて反抗的になったり、背伸びして大きなことを言い出したりする症状を指す」ものなのだとか。それを理解した上で産経抄の一部を読んで欲しい。

「長年韓国を観察してきた著者の鈴置高史(すずおき・たかぶみ)さんによれば、韓国人はまさに中二病にかかっている。21世紀に入って韓国は、自らを立派な国と認識するようになった。とはいえ、国際社会の評価は違う。そこで自分たちが特別な存在であることを示そうと、思春期の青少年のように奇妙な行動に出るというのだ。とりわけ、今や自分より下に見ている日本を徹底的に卑しめるようになった。なるほどそれで、韓国の意固地な態度に合点がいった。韓国海軍の駆逐艦が、海上自衛隊哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題である。」

引用添付した私のブログからも明らかなように、韓国人は千年以上前の新羅の時代から産経抄が言う「中二病」なのである。長年韓国を見てきたという鈴置氏だが実際に見てきたのは長くても何十年という長さであろう。韓国人は韓国ができて生まれたのではなく、遠く新羅の時代から続いてきているのである。千数百年を経て「中二病」になったのかい?

産経抄の筆者も今少し知識を広く、深く求めた方が良いのではないか。しかし最後の一言が面白い。

「今年は「米韓同盟消滅」の可能性が、公然と語られる年になるかもしれない」

とあるのだ。私がブログの「徴用工問題に見る日本外交」シリーズでこれだけ日本政府が韓国批判をし、産経新聞が韓国批判を書けるようになった背景は米国の韓国への態度が変化したからだろうと書いたことが思い浮かぶ。書けるようになった産経新聞がそれ(背景)を知っているのは当然であるばかりか、むしろ産経抄はそれを証明しているようにも見える。米韓関係の大変化が顕在化するのも遠くないと思われる。

参考のため、私の過去のブログ記事の引用文を以下に示しておく。

(ブログ「徴用工問題に見る日本外交(3)韓国人の歴史的民族性」(2018.11.16)からの引用)

韓国の前身は李氏朝鮮であり、さらにその前身は新羅である。朝鮮民族の歪な精神と行動はその新羅にまでさかのぼる。『日本書紀』の持統天皇三年五月の新羅使節に対する詔にはこうある。

「太政官卿等奉勅奉宣、二年、遣田中朝臣法麻呂等、相告大行天皇喪。時、新羅言、新羅奉勅人者元來用蘇判位、今將復爾。由是、法麻呂等不得奉宣赴告之詔。若言前事者、在昔難波宮治天下天皇崩時、遣巨勢稻持等、告喪之日、翳飡金春秋奉勅。而言用蘇判奉勅、卽違前事也。又、於近江宮治天下天皇崩時、遣一吉飡金薩儒等奉弔。而今以級飡奉弔、亦遣前事。又、新羅元來奏云、我國、自日本遠皇祖代、並舳不干檝、奉仕之國。而今一艘、亦乖故典也。又奏云、自日本遠皇祖代、以翡鮨柑妬堯而不惟竭忠宣揚本職。而傷翡髻∈承畊媚。是故、調賦與別獻、並封以還之。然、自我國家遠皇祖代、廣慈汝等之、不可絶之。故、彌勤彌謹戰々兢々、修其職任奉遵法度者、天朝復廣慈耳。汝道那等、奉斯所勅、奉宣汝王。」

その意味は、

「田中朝臣法麻呂を新羅に派遣して大行天皇(天武天皇)の喪について連絡したが、その時新羅は無礼なことを言った。すなわち、『新羅の勅を

( うけたまわ ) る人は、以前は蘇判の位(新羅の位階で十三階の内の第三)との決まりであった。今その決まりに戻そうと考える』と言った。使者の田中朝臣法麻呂は直廣肆(四十八階中の第十六番目)だったので詔を読むこともできずに帰った。しかし以前のことを言うならば、孝徳天皇の喪を知らせた巨勢稻持の伝えた詔を金春秋(第二位)が承ったではないか。だから以前の決まりというものに合致しない。天智天皇の喪に新羅が派遣したのは一吉飡(十七階中第七位)金薩儒であったではないか。今回来た金道那は級飡(十七階中第九位)ではないか。言っていることが出鱈目である。また新羅は『我が国と、遠い祖先の時代から舳を並べて ( かじ ) を干さず』と言ってきたにもかかわらず今回は一艘だけの派遣ではないか。また『遠い昔から清明心を以て日本に仕えて来た』と言うが、忠誠心がなく本来なすべき事をしない。清明どころか、媚びることを要求する。したがって今回の調賦などは受け取らずに封をして新羅に差し戻す。心と態度を入れ替えるならば長い間の関係を考慮して日本は新羅をいつくしむであろう。かえって新羅王に良く説明せよ」

というものだ。簡単に言えば、新羅の時代、すなわち千数百年前から、

「困ればにじり寄って助けを請い、惠を求め、相手に隙ありと知れば簡単に裏切り、攻撃する。そして助けの必要がないと思えば尊大な態度になる」

というのが朝鮮民族の特徴なのである。

(引用おわり)

歴史に学べば、約束が守られると思うことがそもそもの誤りだと感じられる。

 


単純労働者が外国”人材”??

「人材(じんざい)とは、才能があり、役に立つ人物。すなわち社会に貢献する個人のこと」、これはウィキペディアの説明である。当然のことだが、専門的な知識、技術を持つものが人材と呼ばれ、特別枠でワークパーミットを得ることができるのは多くの国で行われている制度である。そしてわが国も同様の制度を運用してきたはずである。しかし昨年12月に成立した(改正)出入国管理法の特徴は「単純労働者」に枠を広げたことにある。つまり何か専門的知識、技術を持つ、わが国にとって有益な人材というのではなく、特別な専門知識も技術もない、単純作業に従事する、まさしく「人手」「労働力」の提供者なのである。すなわち、そもそも「人材」と呼ぶにはふさわしくない人々である。

ところが産経新聞などでは意図的誤用が行われているようだ。例えば1月4日の一面記事『新時代』を見るが良い。大見出しが「農業存続へ『攻める』」、中見出しが「TPP発効で競争激化。外国人材が生産現場を守る」とある。「外国人材が生産現場を守る」と大きく書いているが本文の中は異なる。

「茨城県鉾田市でイチゴを栽培する「村田農園」代表の村田和寿さんは、昨年12月に成立した改正出入国管理法に期待を寄せる。「労働者」としての外国人受け入れ拡大だ。」

の部分からも、外国人材ではなく外国人単純労働者を使おうとしているだけなのが分かろうというものだ。それが実体なのに、「外国人材」とさも専門知識、技術を持つ外国人の導入を図っているように表面を装う産経新聞、読者に真実を知らせるどころか、読者を誤った理解に誘導するようになっては既に新聞の定義に合致しないのではないか。

それにしても、単純労働者として、しかも年限が過ぎれば追い出される国にやってくる外国人労働者がそんなにいるのだろうか。「昔女工哀史、今外国人労働者」、そんな言葉が思い浮かんだ。

 


『太安万侶の暗号(六)〜漢家本朝(中)乙巳の変、そして白村江の敗戦から倭国占領へ〜』の電子出版をした

『太安万侶の暗号()〜漢家本朝()乙巳の変、そして白村江の敗戦から倭国占領へ〜』は2015年8月に郁朋社から出版したものである。『日本書紀』が遣唐使が唐により幽閉されたり、多くが刑死させられたりした歴史を隠し、白村江での大敗、唐による倭国占領、都督府の設置などを知られぬように細工したものであることが本書によって理解できると思う。今回、同書『太安万侶の暗号()〜漢家本朝()乙巳の変、そして白村江の敗戦から倭国占領へ〜』を()麁鹿火から電子出版(アマゾン、キンドル)した。内容紹介を以下に添付しておくのでご覧いただきたい。政治的意図を持ったように見える”歴史関係書”が散見されるが、本書は如何なる政治的、宗教的、また学派的な影響を受けないものであることを付言しておく。

【短文紹介】

高向鎌足(藤原鎌足)等北魏系渡来人は乙巳の変を起こして蘇我氏を滅亡させる(乙巳の変)。大化の改新を進めるも、半島では百済が滅ぼされてしまう。百済再興を援助するも白村江の戦で倭国は敗北し、唐の都督府を筑紫に受け入れた。鎌足の遺言を受け、大海皇子は北魏系の純血皇統を作るために天智天皇とその子、大友皇子を倒すべく行動する。壬申の乱前夜である。

【長文紹介】

父高向鎌足(藤原鎌足)に命ぜられ、見守られる中で漢皇子(中大兄皇子)は板葺きの宮で蘇我入鹿を殺す。これが乙巳の変である。蘇我入鹿の遺骸を甘樫の丘の蘇我蝦夷に届けた高向鎌足に後を託して蘇我蝦夷は自害する。

乙巳の変の後、元々高向鎌足の妃であった寶皇女の弟の軽皇子を形式的な天皇、孝徳天皇とし、いよいよ北魏系渡来氏族、高向氏が倭国の実権を握り、北魏を再現しようとの念願を果たすべく大改革を開始する。これが大化の改新だ。まずは年号を導入し、しかも「大化」という大変革を意識したものとした。そして氏族制だったのを貴族制とし、氏族に属していた民を天皇に属することに替え、班田収授制、三長制、駅伝制などの北魏の制度、システムを倭国の国情に合わせて改変しながら適用した。武器を取り上げる「孝徳の刀狩り」ともいうべき施策もとって、倭国を中央集権国家に替えて行った。

乙巳の変の功労者である蘇我倉山田石川麻呂の暗殺を謀るも、石川麻呂一族は飛鳥の山田寺にて自害した。

これに怒った孝徳天皇と実質的「天皇」の中大兄皇子との反目が深まり、孝徳天皇も暗殺された。

朝鮮半島では百済・高句麗対新羅の争いが激しくなり、新羅と唐が同盟を結んだために倭国は百済保護の仕方が難しくなった。唐の出兵情報を探るべく遣唐使を送るが唐に疑われ、或いは罰せられ、或いは収容隔離されてしまった。その状況下で百済は滅んだが、遺臣たちが再興に立ち上がり、倭国はこれを援助するも、白村江の戦で唐に敗北する。大量の百済遺民を引き取った倭国は筑紫にこれを受け入れた。

唐は占領交渉団を倭国に送り、筑紫に都督府を置くことにし、そして唐軍が進駐した。倭国は国全体が唐に併合されぬようにと唐との戦いの準備を進めた。

そんな中、高向鎌足が死去する。北魏皇帝の後裔であることを示す「東元(謄元)」という姓を考え、これを倭国風に文字を替えた「藤原」の姓を下賜させた。

そして藤原鎌足は大海(人)皇子に倭種の血を半分引く中大兄皇子(天智天皇)を殺して高向氏百パーセントの大海皇子に天皇となるように遺言する。

倭国の歴史上最大の内乱、壬申の乱が迫ってきた。

 


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